大阪フィルハーモニー交響楽団よりコンサートの紹介文が届きました。

2023年05月19日

『大阪フィルハーモニー交響楽団 福岡公演2023』について

数百年に及ぶオーケストラの長い歴史を紐解くと、何度か時代が動いた瞬間があります。19世紀の初頭にベートーヴェンの交響曲第5番「運命」が生まれたとき、そして、20世紀の初頭にストラヴィンスキーの「春の祭典」が生まれた時は、まさにその瞬間だったと言えるでしょう。

苦悩からの勝利を表現したかのような「運命」交響曲によって、「交響曲」というジャンルが完成されたと言えるでしょう。無駄のない形式美、鉄壁な構成力、管楽器の増強による高揚感。どこをとっても完璧な作品です。

「春の祭典」はまだ人間が文明を持つ前の、自然と共に暮らしていた頃の様子を描いています。大地の怒りを鎮めるために生贄を捧げるという儀式を音楽で表現します。不協和音、変拍子、大量の打楽器といった斬新な音の塊が聴衆の耳を強烈に刺激します。両作品とも後の時代の作曲家に与えた影響は計り知れません。

この二曲をまとめて聴ける機会は滅多にありません。もしかしたら、8月4日のアクロス福岡の舞台こそ、オーケストラの歴史が動く瞬間になるかもしれませんよ。